今日の行程は、昨日通過した八幡浜市まで戻るところからスタートする。
さくっと自転車を分解し、宇和島駅5時27分発の特急宇和海で八幡浜までワープする。
遠くの空が白み始め、太陽から逃げるみたいに星はそっと姿を隠す。
今日はどんな1日になるのかな。
朝焼けの八幡浜
港町の朝は静かだ。
静かなのに、もう生活が動き出している気配を感じる。
当然ながら開いているお店はない。
道を歩く人もいない。
家からテレビの音や話し声が聞こえるわけでもなければ、朝ごはんの匂いが届いたわけでもない。
そのとき、沖に浮かんだ漁船を見て気づいた。
漁業を営む人の1日はすでに始まっていて、その人たちの通り過ぎた足音が時間差で聞こえているのだと。
町全体が目を覚ますのは、もう少し後のことだろう。
自転車を止め、しばらく海を眺めていた。
目指せ四国最西端!
ここから旅路は佐田岬メロディーラインへと移る。
日本一細長い半島、佐田岬。
その尾根を辿るように作られたのが、メロディーラインだ。
緩やかなアップダウンを繰り返しながら、道はだんだん高度を上げていく。
メロディーラインの名の通り、道路に音符マークが描かれている。
この区間はアスファルトに特殊な加工が施されており、適切な速度で走れば、タイヤノイズが音階を紡ぎ、音楽が聞こえてくるという。
あくまで車で走れば、の話だ。
自転車だと何も聞こえなかった。
悲しい。
車が通るのを待って、音楽をおすそ分けしてもらう。
うーみは広いーな♪
大きいーなー♪
うん。ほんとに大きい。
いろんな景色を見せてくれるから、半島の先端に着くまであっという間だった。
駐車場からは2kmほどこんな道を歩き、岬を目指す。
そして、四国最西端到達!
最果ての地に自分の足だけで到達したと思うと、やっぱり気持ちが弾む。
しばらく散策したあと、フェリー乗り場に戻り、大分行きのフェリーに乗り込んだ。
旅の舞台は九州へ!
フェリーはおよそ1時間かけて九州に到着。
ここから大分、別府を抜け、日出まで快走する予定だった。
ここまでは天気が良かったのに。
はい。また雨に降られました。
気づけば土砂降り。
レインウェアを羽織り、目的地までノンストップで走り抜ける。
刺激的な1日でした。
いよいよ旅は4日目へ!