いよいよ旅も最終日。
目が覚めたので、AM5時からスタート!
やっぱり朝が好きという話
霧の国道10号を北上する。
ちょうど8時を過ぎた頃、宇佐に到着。
誰もいない宇佐神宮を少しだけ散策する。
早起きが好きなのは、他人と行動時間が被らないからだ。
もちろん、お店が開いていないなど、逃してしまう機会もいくらかある。
けれど、小さな世界を独り占めする味を知ってしまうと、そんなデメリットは些細なものに思えてくる。
人の多い場所を避けるように田舎道を北へ進む。
穏やかな平野の向こうには、雲を纏った山々が連なっている。
あの向こうにはどんな町があるのだろう。
傾く心を傾いたままにしておくからこそ、またこの地を訪れようという気になれる。
穏やかな農道へ
幹線道路を回避し、京築アグリラインと呼ばれる農道へハンドルを切る。
広域農道の例に漏れず、緩やかなアップダウンが連続し、景色は次々と変化する。
遠くに海が見える。
ガイドブックには載っていない小さな神社。
どこにでもあると言えばそれまでだけど、つい引き寄せられる。
自転車で旅をすると、視野は広いのに、世界を見つめる倍率はうんと高くなる。
旅の終わり
大きな街が近づいてくる。
小倉には正午ちょうどに到着した。
自転車を分解し、帰りの新幹線に乗り込むと、心地よい疲労感に包まれた。
また、来よう。
そろそろ雪解けの季節なので、次は山をコンセプトにした旅もいいかもしれない。
背もたれに体を預け、早くも次の旅に思いを馳せる。
[おわり]